知る人ぞ知るIWCの傑作
伝説のネオ・ビンテージブラック フリーガー
IWCは、ケース素材におけるパイオニアである。チタンケースにいち早く注目し、業界に定着させたのは同社の功績。ではもうひとつ、早くから取り組んでいた素材があるのをご存知だろうか。それがセラミックケースである。1986年、永久カレンダーの傑作ダ・ヴィンチのケースで初めてセラミックを採用。
そして今回注目するモデルが、1994年発表のパイロット・ウォッチ「フリーガー・クロノグラフ Ref. 3705」である。ブラックセラミックという斬新なケースだったにもかかわらず売れ行きは不調で、発売開始から1000本を作ったところで
生産が打ち切られている。しかし四半世紀という時間が過ぎると、ネオ・ビンテージの時計として再評価され、機械式時計復興の立役者であり、IWCのディレクターも務めた故・ギュンター・ブルムライン氏が所有していたRef.3705は、後のオークションで53750USドルという高値で落札されている。
現在、Ref.3705の相場は300万円ほどである。この伝説クロノグラフに敬意を表し、1000本限定で復刻版が発売されることになった。文字盤は忠実に再現されているが、ケースはセラミックをさらに進化させたIWC独自のセラタニウム®。コレクター必見のモデルとなりそうだ。